山口祥行×崔哲浩×福士誠治トリプル主演で贈るヒューマンバイオレンス『ぴっぱらん!!』より、福士誠治のオフィシャルインタビューが届いた。
25年前、全国で名前を轟かせていた百鬼(なぎり)三兄弟だったが、突如一家の大黒柱の父・百鬼剛(金守珍)が何者かに暗殺された。「百鬼組は皆仲間や。ヤクザをやっていても、人の道を外れることだけはやってない」という父の意思を継ぎ、百鬼組を継ぐ次男・百鬼要(崔哲浩)だったが、元百鬼組の政治家・福沢正志(三浦浩一)は選挙を控え、同じ堂心会の丹波組組長の丹羽毅(たけし)(永倉大輔)が刑務所から出てくるタイミングで、麻薬ビジネスを発端に襲撃事件が起こる。大阪で一目置かれている三男・百鬼湊(福士誠治)のピンチを助けた長男・百鬼峻(山口祥行)は、本家と構えることになった次男・要を助けに、湊と共に要の元に現れ…。
韓国語で「ぴっ」は【血と雨】、「ぱらん」は【風】を意味する。タイトル『ぴっぱらん!!』【血と雨と風】は、正しく百鬼の歴史を切り開こうとする3兄弟の人生の代名詞である。
崔さんが、福士さんは以前からいつも舞台も観に来てくれる律儀な方とおっしゃっていましたが、崔さんの芝居・演出のどこに魅力を感じていたんですか?
熱い人ですよね。今回ご一緒して、根本にある熱量・パワーは崔さんの源だと思いました。人に対する愛情が大きい方だなと思います。
本作のオファーが来た時のことは覚えていますか?最初の印象はいかがでしたか?
ご飯をご一緒している時から、「作るんだ」という話は聞いていました。崔さんがものづくりをされるとのことだったので、「エキストラでもやります」という気持ちでしたが、今回三兄弟の中に入れていただいたので、嬉しかったです。兄弟の絆を強く感じる作品で、兄弟、恋人、家族の強さもあるので、そこに乗れたらと思いました。
演じる百鬼湊についてはどのような人物と捉えましたか?
劇中でも「あの人が一番の悪童」と言われていましたが、お兄ちゃんたちのことをなんだかんだ大好きな男。強さがあるし、もちろん脆さもあるのですが、お兄ちゃんに頼っているという印象があります。ヤンチャで喧嘩っ早くて、お兄ちゃんのことをけなされたら、いの一番に走っていくようなタイプじゃないかなと思います。
湊の本作での役割についてはどのように捉えましたか?
長男と次男との間に入るような役割。3人揃った時に発破を掛けるのは、小さい頃からそうだったのではないかと思っています。
崔監督から現場では何か演出などありましたか?
好き勝手やらせてもらった印象です。思いついたアイデアやその時出た感情はあまり隠さないで、どんどんやらせてもらいました。崔さんから「リハーサルの時やって、本番でやらなかったやつ、やって」と言われたりするようなセッションができました。
それまで共演者としてのみご一緒していた崔さんの監督としての印象はいかがでしたか?
現場の雰囲気をすごく大事にするし、熱量がありました。僕と崔さんが出会った作品が、佐々部清監督の『チルソクの夏』で、佐々部さんは残念ながら亡くなってしまったのですが、ものづくりにおいてその映画に対する想いを崔さんや僕は勝手に継承していると思います。崔さんが佐々部さんの思いを受け継いでいる監督になっている気がしていて、ジーンときました。
「三兄弟の中であの人が一番の悪童だった」という説明があるので、登場シーンが重要だったと思うのですが、どのように考えて撮影に挑みましたか?
大阪のクラブのシーンだったのですが、長男とは違う強さみたいなものと、人を盛り上げたり大衆をまとめる力・カリスマ性を大事にしました。登場シーンは、陽気なところもあり、でも力でねじ伏せるところもあり、一線を越えてしまいそうなアンバランスさがあるという湊像が見えるシーンだと思います。
パッとナイフを出すところは、かなり練習をしたんですか?
現場で「こうやったら出るな」とやった感じです。普段からナイフは持っていませんからね(笑)!慣れてはいないですが、アクションは何度かやらせていただいているので、どうやったら危険な感じに見えるかを考えながらやりました。湊はナイフが似合いますよね!
峻役が、以前から知っている山口さんとの共演だったというのは助けになりましたか?
なりましたね。前の現場(「駐在刑事」)の打ち上げでお話ししている時に、急に「おい、弟」って言われて。「弟って何ですか?」って聞いたら、「お前、あれやるだろ?俺、兄貴だよ」「え〜」とお酒も交わした後だったので、共演シーンは少なかったですが、面白かったです。
台本を読んでいて、「百鬼三兄弟、舐めたらどうなるか……思い知らせてやろうぜ。」というような決めゼリフ的なセリフがあると、どういう気持ちになるんですか?
任侠映画だったりヤンキー映画のアグレッシブな言葉は、シンプルで、燃えるところはありますよね。自分は普段はそんなに怒ったりしないのですが、俳優としてやっていると、こういう感情は自分の中に隠れていることもあるなと感じます。反発の言葉って、希望があったりするので、そういう人間の生きる力を表現する際に、大事な力強いセリフだと思います。
主題歌の歌唱は、崔監督に頼まれたんですか?
はい。山口さんは何か(セリフ)で参加してもらうことで、この歌が百鬼の歌になるんじゃないかと、僕から提案させてもらいました。
本作の見どころはどこだと思いますか?
人間関係や裏切り、ミステリーの部分もあるのですが、人が持つ信じる気持ちや支え合う気持ちなど、葛藤しているところは見どころだと思います。三兄弟がどんどん近づいていくところは、球体がぎゅっと近づいていく感じのする映画なので、観ていて面白いと思います。アクションシーンも迫力あるシーンが多いので、ドキドキしてもらえたらと思います。
読者にメッセージをお願いします。
骨太の雑草魂みたいなところが色々な力になると思うので、是非映画館に足をお運びください。
11月1日(金)よりテアトル新宿、アップリンク吉祥寺ほかにて全国順次公開